【東日本旅客鉄道株式会社】同性パートナー制度の導入について
ColumnwwP実行委員会参画企業の取組事例紹介
【東日本旅客鉄道株式会社】同性パートナー制度の導入について
JR東日本では、性的マイノリティの社員に対する配慮として、ダイバーシティ相談窓口の開設や、社内のコンプライアンス教育において性的マイノリティを含むあらゆる人権尊重について呼び掛けるなどの取組みを2017年より行ってきました。
そんな中、ある年に入社するトランスジェンダーの社員からカミングアウトがあったことを機に、同性パートナー制度について導入を検討することとなりました。
同性パートナー制度導入を検討するにあたり、人事制度や福利厚生については関係部署が多岐にわたることから、各部署への調整に時間を要しました。
まず、関係部署を招集し、人事担当としてなぜやらなければいけないのか、なぜやりたいのかという想いを伝え、現状の制度の洗い出しと、同性パートナーへの適用可否について議論に議論を重ねた結果、既存の人事制度や福利厚生制度を洗い出し、内縁の配偶者への適用に準じ、制度を適用できることとなりました。対象制度は下記のとおりです。
●休職制度(介護休職等)
●勤務制度(結婚休暇、配偶者出産休暇、忌引休暇等)
●賃金制度(扶養手当等)
●福利厚生制度(結婚祝金、社宅、カフェテリアプラン等)
※健康保険や厚生年金保険等、関係法令の定めによる制度については対象外となります。
なお、制度適用に際しては、本人からの申告とパートナーの証明が必要となります。パートナーの続柄の証明として、以下の3つよりいずれかの提出を求めています。
1.同性パートナーシップに関する政策を行っている自治体の証明書
2.民生委員の証明書(様式は問わない)
3.宣誓書(社員・パートナー及び双方の証人の署名)
また、パートナーのみならず、パートナーの子(継子)に対しても制度を認めており、養育休暇など取得することが可能となっています。
申請を受けて適用となるため、必要最小限のカミングアウトを要します。アウティングとならないよう、制度利用にあたって必要な関係部署を本人に周知し、了承を得るとともに、必要以上に情報を出さないよう管理者へ周知徹底しています。
現在の制度利用者はまだ少ない状況ですが、多様な属性の方々の誰もが働きやすく自分らしさを出せる職場環境を作ることで、JR東日本グループ経営ビジョン「変革2027」で謳っている“社員・家族の幸福”の実現の一助になると考えております。